1ヶ月前に書いたもの

完成させないまま放置してしまったけれど
折角書いたので残しておく。




リネージュと戦争は過去から現在、(おそらく)未来に至るまで
非常に密接した関係にあることは間違いないだろう。
昨今戦争時のデスペナ廃止など、戦争において大きな仕様変更がKRで実装されているが
これはある意味原点回帰に近いものだと考える。
そして、ここから更にリネは次のステップを踏むことになろう。



初期のリネが「レベルには拘らず対人、戦争を重視する」というスタンスで
開発が進められていたというのはほぼ間違いない。
事実、初期のリネ(βテストくらいの頃)では経験値を稼ぐという狩場は殆ど無く
せいぜいDVCでSP骨を狩るのが精一杯というところであり
接続人数から考えても慢性的な狩場不足に陥っていた。
反面戦争に関しては、城はケント、WW、ギラン、OTの4城があり
間もなくハイネ、ドワが実装され、戦争日も2日に1回という頻度であり
サービス開始前後という時期的な部分もあり非常に活発に行われていた。
スタイルとしては「何度死んでもいいからとにかく門に詰める」という感じで
殆どの人が「死」を気にせず、時には戦争時間フルで門に突撃していたりもした。
(デスペナ減少前とはいえ、一度の戦争でレベルが2や3下がることも稀ではなかった)
恐らくこのスタイルと言うのは、ほぼNCが「こうやってリネを遊んでほしい」と
意図したものと合致していると思う。


しかし、この構図は徐々に崩壊していく。
高レベル者が予想を上回るスピードで出現し始めたからである。


KRの事情はちょっと忘れてしまったので省略するが(それでも2001年には
DKプレイヤーがいたはず)、JPのβテスト開始時である2001年に既にレベル50
を達成したプレイヤーが現れ、2002年2月にはカノ鯖でDKプレイヤーが誕生し
2002年中には相当数のレベル50+プレイヤーが誕生した。


リネのアップデート状況を見てもらえば分かるが、DVC導入後の追加狩場に関しては
その殆ど100%が中級者向けで、レベル45もあれば十分狩りができる場所ばかりである。
(この辺からも当時のNCは高レベル者向けのサービスは念頭においていないことが伺える)
当然高レベルプレイヤーの不満は日々高まっていくばかりである。
NCとしても、今までの「レベル45程度のデスペナが小さいレベルで概ねどんな狩場も
行けるようにして、対人戦の敷居を下げる」という方針を転換せざるを得なくなる。


そしてついに「忘れられた島」が実装されるのである。
ここからリネの高レベル化(及び高レベルプレイヤーへの保護)は一気に加速する。

・TOIの実装
・リネのストーリーを「城を奪い返す」から「出てくるモンスを倒す」に路線変更
・各種ボスの追加
・デスペナ軽減、経験値復旧システムの導入 など。


また、キャンセの確率化やイミュ、バインド、DIG、メテオ等の魔法や新変身追加により
高レベルプレイヤーの保護&高レベルであることの有利性が強まっていった。
最早以前のように一度の戦争でレベルが2ダウンするなんてことはなくなった。


この路線を進めていくにつれ、戦争面において1つ大きな問題が生じてきた。
「狩り専門」の人と「戦争に参加する」人がはっきり分かれてきたのである。
高レベル化によりデスペナへの恐怖から、戦争への参加を躊躇する人が増えたこと。
高レベル向け狩場の充実により、戦争より狩りを優先する人が増えたこと。
狩場の充実により、戦争よりレベル上げに注力する人が増えたこと。
リネのプレイヤーが減るにつれ戦争参加者は減っていき、それにより戦争そのものが
沈静化してしまい、戦争参加者がまた減るという悪循環。


どうすれば戦争人口を増やすことができるか?
狩り専門の人が戦争に参加してくれるというのが一番早い。
そうさせるには大きく二つの方法がある。
・戦争により得られるものが狩りよりも優れている
・戦争によるリスクがなくなる
前者については「城ケイブの実装」という方法を取ったが、効果は限定的であった。
こうなると、最早やるべきことは「戦争によるリスクを無くす」しかない。
が、例えばこれ以上デスペナを軽減したところで果たしてどれほど効果があるのか。
恐らくデスペナが5%→1%になったとしても殆ど効果は無いと思う。
ペナルティの大きさではなく、ペナルティの有無が大きな問題なのだから。



そしてNCは
「戦争時間における戦争エリアでのデスペナ&アイテムロストの廃止」
を実装するに至ったのである。


このデスペナ廃止により、戦争の形は初期のリネのスタイルに近くなると私は予想している。



デスペナの廃止というのは、今まで言ってきたように戦争活性化のテコ入れ
という要素が大きいが、実はもう1つ重大な要素がある。


今まで、リネのキャラの強さは対人戦を基準に作られてきた。
たった一人のプレイヤーで10人も20人もぶった切ることはできないのである。
高レベルプレイヤーと低レベルプレイヤーの格差が大きくなることで
低レベルプレイヤーの負担が増加することを防がなくてはならないのである。
しかしデスペナの廃止により、少なくとも戦場においては高レベルプレイヤーが
低レベルプレイヤーに損失を与えることはなくなった(せいぜいPOT代程度)
これにより、高レベルプレイヤーに対する足枷がかなり軽くなったのである。


リネのキャラの強さが対人を基準に考えていたせいで
新規狩場は既存狩場と大差ないものしか作ることができず
新モンスも同様に大幅な強化をすることができない。
大幅に強化されたモンスに対応できるくらい強いキャラや装備を作れば
対人戦で圧倒的な「俺Tueeee」を許してしまうからである。
しかし、その足枷はデスペナ廃止により軽くなったので
思い切った狩場・モンスや既存から大幅に強化された装備導入
更にはステータス上限撤廃、再割り振り、転生(転職)といったことを行い
プレイヤー間の格差を広げても、それによる損失が大幅に下がるのである。